東大1971年数学

全体

体感難易度:1.A 2.C 3.B 4.B 5.B 6.B (A(易)~D(難))

 

大門1

 媒介変数の問題だけれど,冷静にx^2+y^2をtの関数として微分をする問題です.*1

<筆者の回答>



大門2

 解けない漸化式の問題です.

 <筆者の回答>

 ε<1-x/2については,a_1<a_nとa_n<1-εが矛盾しないための配慮だから気にしなくて良いです.途中の式変形が天下り的にも思われますが,差分に2乗の形が出ることと,差分をn個くらいたせば,a_nが求められることを意識して発想しました.

大門3

 

 f(x)について追求せずに,a,bを主役に考えるべきです.積分範囲が [1,0]なので(x-1/2)とか変換して考えてみると奇関数に当たる部分は0になるのでありかもしれません.

<筆者の回答>



 

大門4

 nの偶奇で性質が分かれる関数です.e^xのマクローリン展開を思わせます.偶奇で場合分けして,帰納法を使います.

<筆者の回答>

 筆者はkが奇数のときのf_{k+1}(x)の最小値を求めるところがお気に入りです!

大門5


 

 区分求積を使いますが、極限を取らなくても一応できます.

<筆者の回答>

複素平面でも考えてみます.

 直交座標で点を表すのもいいですが,複素数だと1つの値で,1つの点が表されていいです.座標を考える際,直交座標以上に複素数は本質的であると思います.*2

 

大門6

 

 ”ジャンケン”の問題です.人数の推移が3→1の場合と3→2→1の場合で分けて丁寧に計算します.

<筆者の回答>

&




=\frac{2}{3]-\frac{2k+2}{3^{k+1}}\\

感想

 本セットの中で4番が帰納法の使わせ方が斬新でお気に入りでした.2番も非典型的な漸化式で面白いなと思いました.*3.

 東大は2022もそうですが1問目に発想部分は難しくない微積分などの問題を出す傾向*4にある気がします.またこの年の6問目など慎重に考えれば押せるタイプの確率の出題も多いと思うのでこの2問は計算ミスすることなく確実に取れる問題にできるといいんじゃないかなと思います. 

 

*1:振り返ってみたとこ実は,cos(t+/3)=-sin(t-/6)となって座標軸を軸に持つ楕円を表していたみたいです...

*2:直交座標だと正規直交系のベクトルの1次結合での係数にすぎず,確かに内積0で距離の計算がしやすいなど利点はありますが,それ以外にもいろんな座標の表し方(斜交座標,極座標,正三角形の各辺との距離)があり場合によっては直交座標以上に便利です.

*3:係数の2がなければ2022年のと同じ漸化式ですね

*4:2019,2010なども

東大50ヵ年解いてみた

 

 はじめに

 はじめまして、普段@marth_omcというアカウントで緩く数学についてつぶやいたりしています。 

 去年(2021年)の7月に大数出版の東大入試数学50ヵ年を購入し、趣味として、同年12月まで理系数学を5ヶ月かけて解いてました。今日からその振り返りとして、理解しきれてないままの問題やお気に入りの問題をPick-upしていこうと思っています。

 

 50ヵ年といてみた感想

 東大の入試なだけあって、『その発想すげ〜!!』となった問題(1999の大門6*1や1998の大門4*2など)や『この問題知ってる!』(1999の大門1*3や2003年の大門6*4という問題まであってとても楽しかったです。非典型的でユニークな問題の多い東大でしたが、個人的な感想としては確率漸化式と積分絡みの空間図形の出題が多かったなと思います。漸化式の処理や空間図形の求積問題に慣れていれば東大数学を解くのに有利である気がしました。

*1:e^πという値の評価

*2:グラフの差分を微分で評価

*3:三角関数の定義と加法定理の証明

*4:円周率が3.05より大きいことを証明せよ.